論理的には完璧な日本のデジタルサプライチェーンの未来

Share

Read this article in English

 

日本は伝統的に世界のサプライチェーン超大国のひとつであり、東南アジアの安価な労働生産拠点と西側の消費者の間のゲートウエイとなっています。しかし、日本のサプライチェーンは常に危機対応という点では柔軟であることを要求されてきましたが、プレッシャーに直面する場面においてはグローバルな競争に乗り遅れているイメージがありました。しかし、日本とEUの間で最近合意された主要な貿易協定により、日本のサプライチェーン業界にどのような変化が期待できるでしょうか。

日本で何が起こっているのか?

日本の物流部門を見直す動きが進む中で、サードパーティーロジスティックス(3PL)が増加しています。企業は物流ネットワークの運営方法を見直し、3PLプロバイダーへのアウトソーシングを増やし、コスト削減と効率の向上を目指しています。

シンガポールを拠点とする世界規模の倉庫運営会社でアジア最大の物流施設プロバイダーであるGLPなどからの対内投資が予定されており、日本国内で物流施設を開発するための投資ファンドは約6,250億円(56億米ドル)に及びます。 2019年以降この拡大には、東京や大阪の大都市圏だけでなく、2022年に完成予定の神奈川県相模原にある日本最大の物流施設も含まれます。

日本のロジスティクス分野における新たな推進力の背後にある主な要因は、電子商取引(Eコマース)です。日本ではこれまで成長が遅かったEコマースですが、最近は需要と成長が急激に増しています。 Statistaによると、日本のEコマースの売上高は2019年までに約86億ドルになり、2019年から2023年までの間に5%のCAGRで成長し続け、2023年までに104億ドルに達すると見込まれています。

これは、物流分野の需要を拡大するのに役立ちます。消費財の迅速で効率的な出荷を処理できる最先端の物流施設と事業者には大きなチャンスがあります。そしてこれが意味するものはデジタルテクノロジーです。

日本で活用できる技術とは?

一見すると、ブロックチェーンとモノのインターネット(IoT)が、日本の物流業界に最大の影響を与える2つのテクノロジーであると思われます。

NTTはサプライチェーンと物流管理のためのブロックチェーンプラットフォームを開発しました。これはブロックチェーンとRFIDのようなIoTイノベーションを組み合わせたもので、特に日本の製造業を対象としています。ブロックチェーンは、複雑なサプライチェーンを持つ製造業者がチェーンのあらゆるステップで製品を追跡できるようにするのに役立つブロックチェーン対応の追跡技術に基づいて、在庫ファイナンスの効率を改善する可能性も提供します。

RFIDやIoT接続センサーのようなIoTソリューションを使用すると、RFIDはスマートフォンを利用して商品をまとめてスキャンでき、IoTセンサーは継続的な位置追跡を行うことができるため、工場の従業員は品物をパレットごとに点検するのにそれほどの時間をかけずに済みます。

IoTおよびブロックチェーンソリューションに加えて、日本はサプライチェーン業務を強化するために他のデジタルツールも採用できます。拡張現実感(AR)がその一つです。ARは、HoloLensなどのスマートメガネを利用して、倉庫作業員の商品選択、追跡、発送能力を高めることができる技術です。物流大手DHLは、商品選択者が倉庫での作業を最適化できるように、日本の施設でスマートグラスを採用しています。 そしてAR対応スマートメガネを使用して業務の生産性が10〜12%向上したと報告しています。

ドローンとも呼ばれる無人航空機(UAV)は日本のサプライチェーンでも注目を集めています。ドローンはこれまで日本では土地調査、農業、安全保障のために利用されてきましたが、今年は中国の小売大手JD.comが日本のEコマース業者、楽天と協力してサプライチェーンでドローンと自律型配達ロボットを使って遠隔地や山岳地帯にに商品を届ける予定です。

日本のサプライチェーン:デジタル未来に向けた迅速な取り組み

日本はサプライチェーンの分野で大きな進歩を遂げており、世界銀行の物流パフォーマンス指数(LPI)で、2018年に世界ランク第5位に入りました。 2016年から7段階の上昇、これは素晴らしい成果です。

PwCの調査によると、アジア太平洋地域の67%の企業がデジタルサプライチェーンを破壊的で重要と考えており、日本の躍進でもこれは明らかです。 3PLは成長の一途をたどっているように見え、サプライチェーンの中で、人間の労働者を補完するためにデジタルツールとソリューションを展開するという日本の姿勢は成果を上げています。そして企業は、Orange Business Servicesのようなデジタルサプライチェーンの経験豊富な専門家と提携して、次のレベルに前進し続けることで進歩を続けることができます。

最新のデジタル技術を使用し日本ならびにとアジアパシフィック地域の企業がサプライチェーンをどう変革できるかについては、以下のPwCのレポートをダウンロードしてください。

(英語サイトになります) Building Connected Supply Chains

Christophe Ozer
クリストフ オゼール

クリストフ・オゼールは現在アジア太平洋地域のセールスヘッド及び日本のヘッドを兼任している。APACのセールスヘッドとして、域内各国チームの売上向上、新規の大規模案件獲得をリード、サポートしている。
一方2012年まで合計で10年以上日本に滞在した経験と、オレンジビジネスサービスジャパンのカントリーヘッドとしての計7年以上(2007-2012 & 2016-現在)の経験から、日本のマーケットに関する知識は深い。
ジャパンのカントリーヘッドとして着実にビジネスの成長を牽引し、日本のキャリア各社とも確固で戦略的なパートナーシップを確立した。オレンジ全社の中で初めてパートナーシップ型ビジネスを成功させたといえる。

ベルギーのリエージュ大学にて販売管理学学士号取得。